技術マネジメントの方向性: TRMによる技術の棚卸し

摘要

現在MOTという形で理論的な整理がなされていることの多くは、80年代に優れた競争力を誇っていた日本企業では、当たり前のように機能していたことばかりである。かつての日本企業は、現在のMOTという概念を知らずとも、生産技術をはじめとした高い技術力により新製品を次々と世に送り出し、その製品が持つ技術優位性・コスト優位性により世界市場で高いシェアを獲得し、とるべきリスクをとって長期的な投資を行うことでさらなる競争力を高め、企業価値を向上させていた。