第29回車の綱を曲げる方法(くるまのつなをまげるほうほう)

摘要

前回、空間に置かれた物体の「自由度」は、その物体の位置を指定するために必要な「変数の個数」であることを説明しました。今回は、物体が複数組み合わされて機構を構成した場合の「自由度」、つまり、「機構の自由度」についてお話ししたいと思います。まず、複数の物体(機素)で構成された機構を考えます。説明を簡単にするために、図表一1(a)に示すような平面内で組み立てられた四節回転連鎖を例にしましょう(四節回転連鎖がどのようなものかについては、本連載第20回、2012年11月号でご紹介していますので、ぜひ、バックナンバーをご覧ください)。