9．高分解能XバンドSAR衛星による東日本大震災大津波の湛水域モニタリング

摘要

東日本大震災により発生した大津波は，青森県から千葉県沿岸の広大な範囲を浸水させた。株式会社パスコでは 地震直後より高分解能ⅩバンドSAR衛星であるTerraSAR－Ⅹをはじめとし，光学衛星，航空機，地上計測車等のマルチ プラットフォームによる観測を実施し，被災状況の収集，解析，配信に取り組んできた。本稿は，前号「カメラアイ」の 続報として，そのリソースを駆使し多くの画像を取得したTerraSARLXによる仙台平野の湛水域モニタリングについて， より学術的・技術的観点から取りまとめたものである。本稿では，SAR画像の振幅情報・位相情報から抽出した湛水範囲 の精度評価や過去の巨大災害であるスマトラ沖地震による津波災害と比較した技術的進歩や今後の課題等についてとりま 　とめる。