より良き新年の到来を祈りつつ…

摘要

「無事之名馬(ぶじこれめいば)」という言葉がある。フリー百科事典のウィキぺディアによれば、競走馬を指して「能力が多少劣っていても、怪我なく無事に走り続ける馬は名馬である」とする考え方を表した格言であり、作家•菊池寛が考えた造語との説が一般的。競争で勝つ馬には、もちろん価値がある。"競争"という価値観の中では、勝つことが正義かも知れない。しかし物事ひいては人生において、全てを勝ち負けだけで図れるものだろうか。確かに"負け"は惨めだが、勝たなくとも"負けない"という生き方だってある。「大過なく勤める」を自嘲気味に使う例も耳にするが、その人が"大過"なく"無事"であることの価値は、人生の長いスパンで見なければ分からないはずだ。人は「国」、人生は「歴史」に置き換えられる。