輸送包装の今… (その44)「言い，伝えたいこと」: 新しい年を迎えて

摘要

年が変わり，平成28年(2016年)を迎えて，まず，新年のお祝いを申し上げる。この時を迎えると，この歳になっても，何となくそわそわと嬉しい気持ちになる。皆さんも，同じ気持ちではなかろうか？それは，今年は，「何か」ありそうだとか.「こんな年」にしたいなど，気持ち的に高ぶる時間であるからである。皆さんは，具体的に，どんな希望を持っただろうか？筆者は，企業人の時代も含めて，元日は，初日の出と共に.近くの神社に出向き.今年1年の健康，幸せ，平和などを祈り，近くのコンビニエンスストアなどで，わが家での購読紙以外の5大新聞を購入し，正月三が日を何度も同じ紙面を繰りながら，「今年は？」を考える時間を続けている。そして.だんだん日が経つと，元日の高ぶりの気持ちも薄くなり，現実的になってくる。多分，皆さんの多くも，本誌に触れる時期には，もう正月気分も抜けて，実際の多忙な業務に入り，正月の大きな夢も少し覚めて，現実的な課題に追われる毎日を迎えていることであろう。正月の大きな夢は，持ち続けて行くこととして，ここでは，少し現実を踏まえて，今年1年を考えてみたい。そのテーマとしては，この時期でもあり，また，昨年の本誌12月号でも触れた「包装と社会(個々，公共)，経営(組織，企業)」を主テーマに，われわれの日常での生活に直結する「社会」を，そして，本寄稿の主題となっている輸送包装での「経営」とを，われわれにとっては，最も重要な「立場，役割，使命」で，再考してみたい。まず，日常での定常的な生活で考えると，わが家を出るまでは，家族などを含めた「個々人(独立人)」であり，一歩，わが家を出て，最寄りの駅などへの道路に出ると「社会人(公共人)」であり，会社，組織などに入れば，「企業人(職業人)」である。多分，皆さんは，無意識のうちに，これら三つでの立場，役割，使命を感じながら，使い分けていることになる。筆者は，現役時の週日，起床と同時に，「今日の仕事は！」と考えてばかりで，これらを上手く使い分けできていたのかと，反芻しているところである。高度経済成長の時代には，毎日，毎日が追われ，追う身であったが，現代の皆さんも，その内容，方法などは，少し時代的な違いはあるにしても，同じではなかろうか。しかし，この大きく分けた三つでの立場，役割，使命は，時代的にその強，弱はあるにしても，いつの時代でも，基本的で，同じく重要なことである。そして，われわれの輸送包装を含めた包装は，それぞれ前述の三つの立場に大いに関係し，これらとは，切っても切れないことに気がつくのである。そこで，今年1年，この「社会と経営」を広く捉えて，今一度，考えてみることとし，そのなかから，皆さんの輸送包装を代表とする包装を含めて，この三つでの立場，役割，使命などにおいて，新しい理解が生まれ，具体化が出ることで，皆さんの次の進歩に繋がれば，幸いである。今1月号では，その「序論」として，全体像を見てみることとし，以下，「出だし」，「次に」と題して，キーワードを提起するので，皆さんなりの新しい考え，具体化などを見出して欲しい。