原子間力顕微鏡およびX線光電子分光法による再生セルロース基質状のアミノ官能基性ポリシロキサンフイルムに関する研究

摘要

N-β-aminoethyl-γ-aminopropyl polysiloxane (ASO-1)によりコーティングされた再生セルロース（cel）基質表面(ASO-1/cel）の、フイルムモルフォロジー、表面組成および疎水性について、原子間力顕微鏡、Ⅹ線光電子分光法その他の方法を用いて検討した。セルロース基質の不規則性に影響されるため、ASO-1／celは、顕微鏡観察によるとセルロースと非常によく似たモルフォロジーを示す。さらにASO-1／cel表面は疎水性である。ASO-1とcel間の界面において強い水素結合が存在する。すべてのデータが示すところによれば、ASO-1分子は再生セルロースと次のような形で相互作用をしている。すなわち、疎水性のシリコンメチル基（Si-CH_3）が空気のほうを向き、一方、Si-0双極子結合および極性アミノ基がセルロース基質界面に向かって配列する。