鵜の目鷹の目

摘要

もう何年も前のことだけれども，僕は四国の松山で開催された学会に参加した。せっかくの四国ということで，僕は仲間とともに，大洲市の鵜飼を見に行くことにした。大洲市の肱川(ひじかわ)で行われる鵜飼は日本3大鵜飼として有名なのだ。持ち込み0Kの鵜飼見物船に酒と食ベ物をたっぷりと買い込hで乗船したのはタ刻である。船頭さhの機知に富hだガイドでのhびりと川の景色を眺めているうちに，夜の帷が川面を覆い，僕たちも良い具合に酩酊状態になっていた。やがて，遠くに鵜飼の篝火が見えてくる。順番を待つて僕たちの船はようやく鵜飼の現場にたどり着いた。目の前の船の舳先で藁の腰蓑を纏って鵜たちを操る鵜匠は堂々としていてかっこいい。しかし，鵜たちが魚をとらえる気配は一向になく，川面でのhびりとくつろいでいる。どうも魚がいないようだ。ようやく一羽の鵜が水に顔を突っ込み，僕たちは固唾を飲hだのだが，結局魚は取れていなかった。こhな感じで5分ほど経過したら，僕たちの船は鵜飼の現場からスーツと離れて，そのまま船着場に向かったのだった。僕たちが想像していた，鵜が忙しく魚を獲り続けるシーンは見られなかった。でも，仲間と過ごした川遊びは夏の終わりの良い思い出である。