NELが低消費電力100G用DSP-LSIの製造・販売開始

摘要

NTTエレクトロニクス（NEL）は、100GデジタルコヒーレントDSP-LSIを製造し、販売を開始する。DSP-LSIは、ITUで標準化されている伝送速度100Gbpsの大容量・長距離伝送システムを実現する製品。NELでは、最先端の40nm製造プロセスを用いることにより、デジタルコヒーレント受信に必要な信号処理回路を1チップに収容した低消費電力DSP-LSIを世界で初めて製造し、販売を開始する。同製品は、ほとんどすべて切光ファイバ伝送路に対して十分な波形歪み補償機能を有しており、メトロ及びバックボーン向けを中心に、広範囲に使用されることが期待される。100GデジタルコヒレントDP-QPSK方式では、デジタル信号処理用のDSP-LSIは必須のデバイスだが、これを製品化できそうなチップベンダは買収によって囲い込まれているか、まだ40G用までしか開発できていないかで、現在市販の100G用の製品はNEL製のみ。100Gコヒレント市場で先行するシステムベンダは数社おるが、NELによると、すでに自社開発したと表明しているこれらのシステムベンダの中からもこの製品について問い合わせが来ているという。同社の見方によると、開発も容易ではないが、歩留まりを挙げるのも簡単ではない。今後、NELに追随してDSPを製品化する半導体ベンダが出てくると見られているが、一方でコヒレントを使わない方式でも600km程度なら相対的に安価な100Gネットワークが構築できると考えるADVAなどもあり、そうしたシステムベンダをターゲットにODB方式を提案しているオクラロの「ODB変調100G DWDM CFP」はOFC/NFOECの注目製品の1つだった。100Gのローコスト化は、チップベン久モジュールベンダからシステムベンダまで、至る所で聞かれるようになっているが、LHではコヒレント方式は必須。ここでは、唯一市販のDSP-LSIを開発したNELの製品説明を見ておこう。