モバイルサービスの急拡大がもたらす光通信ビジネスの展望

摘要

昨年より続く欧米の景気減速を受けて以来、ワールドワイドにおける景気見通しも多くの不確定要因を伴って先行きを危ぶむ声も多い。しかし、光通信市場においては、ほぼ確実に成長を期待できる分野がある。それが、高機能モバイルの普及による大容量通信設備需要だ。この設備需要には通信キャリアによる携帯基地局整備とサービスプロバイダによるデータセンタ構築の両面がある。本コースでは、その両面から今後の光通信需要をサーベイすることとなる。実際、新興国においては、富裕層をFTTH、そうでない大多数の層をモバイルネットワークで囲い込むことによってブロードバンドを提供する傾向にある。そのモバイルは高機能化が進み、世界中で2Gから3G/LTEへの移行とスマートフォンやiPadの爆発的な普及が進んでいることは今さら説明不要だろう。「特に、スマートフォンは、従来の携帯端末と比べて、端末からのデータの発信容量とユーザの発信頻度が高い。災害発生時など、輻輳を避けて通信障害を起こさないためには、バックボ」ンの強化は必須」と山口氏は指摘する。いずれにせよ、モバイルが今後の光通信市場のカギを握っているのは疑いが無いようだ。