スピードの重要性

摘要

ビジネスは競争であると考えると、当然のことながら、何らかの競争優位性を持たなければ成功は得られないと言うことになるだろう。最近のネットワーク業界では、スピードを競争優位性と見なす議論が増えている。その代表例として、Ciena AgilityとCisco Analytics Strategyを記事で取り上げた。前号では、Infonetics Researchのレポートから「NFVがDPIに影響を与える」と言うアナリストの見方を紹介したが、これはDeep Packet Inspectionという機能(作業)が、ベースにあるハードウエアから切り離され(decouple)てNFVの1機能となる、つまりソフトウエアとなっていくトレンドについて触れたものだった。シエナの言うAgility Matrixもこれとほぼ同じことを言っている。シエナは、仮想ネットワーク機能(VNF)市場をクラウドに展開していて、ユーザは様々なサービスをオンラインショッピングする。サービスは、シエナだけでなく、アプライアンスベンダと提携して開発したものもある。何日、何週間もかけてサービスを構築する時代は過去のものになった、と言うのがシエナの強調している点だ。つまり、「スピードが競争優位性となる」というコンセプトをベースにしたマーケティングである。このように様々なネットワーク機能を、必要に応じてクラウドに設置したマーケットから購入して使うようになると、ハードウエアとしてのアプライアンスはなくてもよいことになる。物理的には、少数の汎用サーバがあればよいので、あれこれの装置はお役ご免にして良い。シエナは、ハードウエアべンダであるが、いつまでもハードウエアベンダにとどまることができなくなっていることを自ら表明したことになる。