車載ネットワーク環境を促進するオープンなソフトウェア

摘要

2015年11月12日にホテルインターコンチネンタル東京べィで開催された「第16回 MOSTインターコネクティビディ•アジア会議(ICA)」では、自動車の光伝送やネットワークアーキテクチャ、プロトコル等の最新情報が講演された。最新情報の1つとして開催当日に発表されたのが、Linuxエコシステム用のMOSTテクノロジー。MOSTコオペレーションによると、バージョン4.3以降のLinuxメインラインカーネルにMOSTのLinuxドライバが含まれるという。このドライバーはMOSTのデータタイプ全てにアクセスが可能で、MOSTネットワーク インターフェース コントローラのUSB、MediaLB、I2C各々をサポートしている。更には、ALSA(オーディオ)、V4L2(ビデオ)といったLinux標準インターフェース、および標準のLinuxネットワークスタック上のIPベースの通信をサポートしている。このドライバにより自動車のインフォテインメントシステムは、全てのコンポーネントをシームレスに動かすことが出来るようになる。このテクノロジーをはじめとするソフトウェアは、ハードウェア産業である自動車業界にどのような影響を与えるのか。ICA で講演された「How Open Source Collaboration is Transforming the Automotive lndustry」でThe Linux Foundation日本担当ディレクタの福安徳晃氏は、「AppleやGoogleの自動車産業への投資は、来るべき自動車産業の変革のヒントではないか」としている。本レポートでは、福安氏の講演から自動車におけるオープンなソフトウェアの利便性について纏めた。