紫外線蛍光法によるリアルタイム硫黄分析計を用いたオイル消費率測定

摘要

本稿では，UVF法によるTS濃度測定装置について紹介した。本装置では，サンプルガスを1100℃の電気炉に通すことでPM中のSulfateをSO_2に還元し，さらに後段の600℃の電気炉でH_2S等のTRS成分を酸化する。このようにしてすべての硫黄分をSO_2に変換し，UVF検出器にてSO_2濃度を測定する。装置の性能評価結果および実ガスでのTS濃度測定結果から，UVF法では，Sトレース法オイル消費計測に必要な低濃度TSの測定が可能であると考えられる。また，排ガス中の硫黄化合物はNOx吸蔵触媒などを被毒させることが知られており，それらの吸着・脱離メカニズムの解明が自動車関連業界の課題となっている。本稿では触れなかったが，本装置の前処理のフローを変更することで，SO_2とTRSの同時計測を行うことが可能である。このように，UVF法は，オイル消費計測のみでなく，触媒評価の分野でも有用な計測法となると期待される。