ネットワークが半導体産業を変質事業モデル再構築は避けられない

摘要

半導体業界が，激変の時代を迎えている。ネットワークの台頭という半導体以外の業界で起きている変化が，半導体業界，そしてこの業界で高収益を上げるための事業モデルを急変させている。この対応を既に多くの半導体メーカーが続々と取り始めた。このような対応をいち早く終えた米Texas Instruments Inc.(TI)など一部の企業は，既に高収益体質を築いている。その一方，特に日本の半導体メーカーの多くがさえない。世界的な半導体需要拡大と円安という神風が吹いているにもかかわらず，利益を出せない企業がある。このような企業には，環境変化を見越した抜本的な事業体制の再構築が必要と考える。以下，“Intelの不調”や“半導体業界における投資ファンドの活躍”といった半導体業界に見る変化の本質を筆者なりの視点で分析する。