重力波天文革命

摘要

2015年9月14日，日本時間午後6時51分。宇宙のはるか彼方から地球へ，「重力波」が届けられました。重力波とは，アルバート•アインシュタインが1916年にその存在を予言した"時空のさざ波"です。しかし，重力波の振幅(波の高さ)は非常に小さく，直接観測が非常にむずかしいことから，「アインシユタイン最後の宿題」ともよばれていました。この予言からちょうど100年。ついに，アメリカの重力波望遠鏡「LIGO」が重力波をとらえたのです。巨大な星がその寿命を終えるときにおこす「超新星爆発」や，光さえも脱出できない強い重力をもつ天体である「ブラックホール」どうしが衝突する際には，大きな重力波が生じるといいます。そしてこの重力波を観測することで，これまで行われてきた可視光や赤外線などを用いた天体観測では決して手に入れることのできなかった情報を手に入れられると考えられています。重力波が切りひらく新たな天文学の世界を一緒にのぞいてみましょう。