ゲストハゥス樸宿　西陣

摘要

千本通りは京都市を南北に走る通りで，小売店が並ぶ庶民的な下町風情の残る通りである.その千本通りに面した木造2階建ての住宅を，ゲストノ、ウス/カフェ/才ーナー住宅といラコンプレックス（複合施設)へとリノベーションを行った.既存建物は幾度も増改築を経て，道路から奥に向かって並ぶ3つの建物がちぐはぐに繋げられていた.そこで.複雑な増改築のあとを解きほぐした上で耐震補強を加え.道路側の棟の1階部分を大きく減築した.宿泊部分を道路の喧騒から距離を取って奥に配置するためであり，用途変更に関わる面積を100m~2以下とし行政上の手続きを簡略化することができた.その減築部分に，敷地の奥へと風や光，視線が通じる露地(外部空間）をつくった.道路に面した建築の正面には前庭をつくり，多くの緑を配した.前庭から露地，内庭，奥庭にかけて緑が繋がり，旅行客や地元の人びとが集う空間となる.露地にあるカフェを横切り，ゲスト八ウスの玄関に赸り着く.奥の庭で.かっての建物で祀られていた小祠が出迎える.