長距離無線LANを利用したモンゴル・ルーラルエリアでのブロードバンド実証試験: マイナス50℃の厳寒の地で44kmの長距離伝送に成功

摘要

当社は，電波法改正に伴う「省電力データ通信（無線LAN）の空中線利得条件の緩和」に基づく技術基準適合証明を取得し，これによる無線LANシステムを2002年から販売している。このシステムは，IEEE802.11bに準拠する2.4GHz帯無線LANを採用しており，高利得アンテナと高性能ケーブルを組み合わせることで40kmを超える長距離通信を実現している。東日本電信電話㈱殿のご指導とAPT（アジア太平洋電気通信共同体）殿のご支援により，2005年11月から2006年4月まで，モンゴルのルーラルエリアへのワイヤレスブロードバンドの実証実験を行なった。モンゴルの地方都市バガヌールと約50km離れた村ムングンモリトを，3施設を中継して接続し，長距離無線LANが40kmを超える長距離伝送，マイナス50℃の厳寒の環境下に適用可能であることを実証した。本成功により，ルーラルエリアへのブロードバンド構築に有効なシステムとして認知され，本格的に導入されることを期待している。