新連載冷戦兵器の大巨人『アメリカ陸軍』Vol 10陸軍の巨大航空軍団•1万機のヘリ無人機

摘要

二〇一六年後半からイラクに蔓延るIS本体に対する掃討作戦が本格化した。とりわけ焦点となったのが、ISが本拠として二年間にわたり占領してきた北イラクの大都市モスルの奪還作戦であった。米軍は、イラク治安部隊によるこの極めて重要な都市奪還作戦を支援するため、爆撃機による通例の航空攻撃に加え、陸上からも砲兵を前進させ、イラク治安部隊の進撃を掩護する間接射撃支援を実施したという。確か、米陸軍部隊によるイラクでの地上作戦は、二〇一〇年八月末をもって終了したはずだが、形の上ではまたもや陸軍部隊が地上戦に加わったことになる。しかしながら、この作戦は、歩兵部隊をモスルの市街掃討戦に再び投入したものではない。任務は、距離二十km前後から敵目標を潰す精密砲撃であり、IS側から致命的な反撃を食らう危険性は極めて低いとの目論見のようだ。