摩擦力顕微鏡機構を利用したナノスケール機械加工と微細構造形成技術への応用

摘要

超精密加工技術の発展にともない，機械加工においてもナノ メータスケールの加工・制御技術が求められている。機械加工 では，工具で被加工材料を力学的に変形，破壊させることで除 去加工が行われる。このため他の加工方法と比較して，能率の 良い加工を行うことができる。その加工精度は，工具切れ刃の 運動精度が工作物に転写される母性原則に基づき，工作機械の 運動精度，剛性や熱変形特性などが高精度化に影響を及ぼす重 要な因子となる。同時に，微細加工を実現するためには工具自 身の微細化，高精度化が要求される。現在の工作機械，加工工 具では，切込み量がサブミクロン以下になるとこれらの要因が 無視できなくなり，最小加工単位はサブミクロンオーダが限界 となっている。