スポーツ競技用車いす開発の今: 2020年東京パラリンピック大会に向けて

摘要

今から半世紀前の1964年に開催された東京ォリンピック直後，国際身体障がい者スポーツ大会が開催され，後に設立される国際パラリンピック委員会（IPC)によって第2回パラリンピック大会と位置づけられた.「パラリンピック」という名称は「ォリンピック開催年にオリンピック開催国で行われる国際ストーク'マンデビル大会」=「Paraplegia(対まひ者）」の「Olympic」=「Paralympic」という発想から，東京大会の際に日本で名付けられた愛称であったといわれている.当時の競技において，例えば車いすは後述するような先端のものではなく，通常の生活で使用される一般的な車いす（図1)を代用していたようである（なお，障がい者スポーツならびにパラリンピックについては，参考文献1,2)を参照するとよい）.