連載：卜ライボロジーを語る卜ライボロジーの明日を担う若者へ

摘要

採用活動の季節は.大学研究室を訪問し，学生さんにお会いする機会がおのずと増えてくる.その際に困るのがトライボロジーの説明であり，会社や職場紹介の場面では必ず.「トライボロジーとは？」のQ&Aの時間を設けるように心掛けている.トラィボロジーは機械系の学科では講義はもちろん.伝統ある研究室も多く存在し，認知度は高いものの，化学系学生にとっては，就活をするまで聞いたことがない，という学問ではないだろうか？私の勤務先は石油会社ということで，学生時代の専門を迪ると化学系出身者が圧倒的多数である.自身も化学系学科出身であり有機化学を嗜んだ程度で潤滑やトライボロジーという言葉とは無縁の学生生活を送った.しかし.入社後三十余年，会社人生の大半を潤滑油の商品開発に携わることとなつたから不思議なものである.