開発途上国におけるダムプロジェクトのマクロ経済効果: ラオス国におけるナムテン2事業の事例

摘要

従来，われわれダム技術者はダム開発事業の推進において技術的側面を中心に，次に環境面へと検討を広げてきた。また，その経済性検討においては費用対便益の比較，内部収益率によって事業を評価してきたが，一国のマクロ経済に与える影響を議論することは少なかった。今後，ダム開発事業の中心は開発途上国に移っていき，更なるダム事業のあり方を考えるた捌こは，一国の発展のための社会資本（以下，インフラ）事業としてダム事業を捉え，小規模経済である開発途上国のマクロ経済に与える影響を考慮する必要がある。