しわ試験機を用いた綿スラックスのしわ等級評価

摘要

近年我が国では環境負荷低減を目的として,ビジネスシーンにおいて軽装で社会活動に従事するクールビズが奨励されている.これに伴って,従来のビジネスウエアの代わりに綿のスラックスなどのカジュアルウェァを着用することを社会的に容認する雰囲気が定着しつつある.しかし,社会活動の場においては,ビジネスマナーとして服装選択に配慮が求められ,常に適切な服装を着用する必要がある.その際,服装の種類だけでなく衣服に発生するしわ等にも留意しなければならない.そのため,綿スラックスに代表される多くのアバレル製品の防しわ性評価は,JISL 1059で規定された試験方法にしたがって実施されている.この試験方法では,しわ等級判定が判定者の経験に基づく目視判断に依存するため,等級を決定する物理的要因(しわの深さ,エッジ,コントラストなど)が明らかでない.したがって,紳士用織物を対象として新規しわ試験法の提案や等級判別法の検討がされてきた.綿織物は,紳士服に用いられている毛織物と比較してしわになりやすいが,綿織物を対象としたしわ等級の判定·格付けに関する研究報告は少ないのが現状である.%In business settings, casual wear has become more common under the influence of COOL BIZ. There have been few reported studies on mitigation technology and methods for quantifying wrinkles in easy-to-wrinkle fabrics. Therefore, in this study, we investigated a method of predicting a wrinkle grade of cotton slacks. Image processing and texture analysis were performed on images of wrinkles, and the features of wrinkles were extracted. The method for predicting wrinkle grade from the features appearing in wrinkle images was derived on the basis of multiple regression analysis. As the result, the difference variance (DVAR) of wrinkle image was adopted as an explanatory variable.