青年男女の身体組成，運動習慣，食習慣，睡眠習慣が踵骨骨量に及ぼす影響

摘要

18歳から29歳の男子339人と女子262人を対象として，身体組成，小学校から現在までの運動習慣，食習慣および睡眠習慣が踵骨骨量相対値に及ぼす影響を調べた．その結果，次のようなことが明らかになった．（1）BMIによる肥満判定でやせに属する者の踵骨骨量相対値は普通に属する者より有意に低かった．（2）運動習慣では小中高等学校における女子の運動頻度は男子より有意に低く，運動を全くしない者がそれぞれ25.2％，24.1％，高等学校で44.6％を占めた．小中高等学校で過3回以上運動した者は，しなかったか週1,2回の者より踵骨骨量相対値が有意に高かった．また小学校，中学校と運動を継続した者の踵骨骨量相対値が最も高く，小中学校で運動をしなかった者の踵骨骨量相対値は最も低かった．（3）食習慣では，小中高等学校における小魚摂取頻度が高いほど，踵骨骨量相対値が高かった．また，小魚摂取頻度は海藻や大豆製品の摂取頻度と正の相関を示し，その相関係数は牛乳や乳製品より大きかった．（4）女子の場合，睡眠時刻が1時以降の者の踵骨骨量相対値はそれ以前の者より有意に低かった．（5）重回帰分析の結果，女子の踵骨骨量相対値には中学校時の運動頻度，体重，高等学校時の就寝時刻が影響を与えていた．