読者の声

摘要

1887年に横浜で近代水道が誕生し，水道条例(1890(明治23)年法律第9号）以来，営々と続けられてきた公営水道事業がいとも簡単に「民営化」の名の下に海外での契約を失いつつあるヴェオリァ•エンバイロメント社ゃGDFスエズ社等の国際「水メジャー」の穴埋めにされようとしている.しかも，現在享受する水準のサービスを前提とした国際的な水ビジネスは基本的に破綻しつつあり，「再公営化」が世界の潮流になってきている中で，である.本特集は，「水道事業を軸にしながら，水インフラの持続可能性を高めるという視点で現実の課題を分析するとともに持続可能な水道事業の再構築を試みるものであり」，まさに時宜にかなった企画である.とりわけ，近藤論文では貴重な現場の声が聴け，橋本論文ではいくつかの対応メニューの提起がされ，論議の参考になるのではないか.