岩手支部学術講演会「ゲノム編集って？」: 有益な技術が役立っために何が必要か

摘要

2019年夏ころ，ゲノム編集食品の表示義務化は困難という刺激的な記事が基になり，DNA操作で病原菌の研究をしている岩手大学教育学部理科教育科の安川洋生氏に講演をお願いした.2020年1月24日に12人（内会員9人）が参加して行われた.まず，ゲノム編集とは，微生物の免疫システムを模倣した技術で，狙った遺伝子をピンポイントでわずかに変化（変異）させることができ，それは自然に起こっている突然変異と違いがない.つまり，この技術で作成された生物は，変異の痕跡を確認しても突然変異体（自然界で偶然できた優良品種など）と区別がつかない.