模擬古墳から検討した埋蔵環境下における遺物保存に関する研究 （その5）4 年間の測定結果による石室内環の把握と数値解析による石室内温湿度の再現

摘要

日本には、多くの古墳が存在し、石室内部にはrn遺物が埋蔵された状態の場合も多い。遺物の劣化は温度、rn水分、空気質などの関係があることは分かっているが、rnこれらの環境因子が遺物の劣化に具体的な影響についてrnは不明な点が多い。また、周辺環境と石室内部の環境とrnの関係も明らかになっていない。その為、本研究では石rn室内の環境の変動とそれが遺物の劣化へ与える影響を把rn握することにより、埋蔵環境下における遺物の適切な保rn存対策を提案することを目的としている。既報1)では、模rn擬古墳と称して実際の古墳を模した石室を丘陵地の林内rnに埋設し、林内気象、地盤内部、石室の環境計測を行い、rn遺物として金属製品を想定し、石室内部で金属の腐食実rn験を行ってきている（図1、2）。本報では測定結果から、rn石室内温湿度、酸素、二酸化炭素など環境の把握を行う。rnまた石室内環境予測の第一段階として熱水分同時移動方rn程式を用いた数値解析による石室温湿度再現を検討する。