2016 年ミャンマー・チャウ地震で被災したバガン遺跡群の地震被害及び構造的特徴 （その1）バガン遺跡群の文化遺産建造物における地震被害の概要

摘要

以上のような破損状況からみると、塔部分の転落によrnる破損を除く、構造性能に影響を与える損傷の大半は今rn回の地震により生じたものではなく、経年による劣化やrn過去の地震の影響が大きいと考えられる。損傷の多くはrn地震以前から既に把握され、一部については亀裂充填等rnの補修がなされていたが、そうした箇所に新たな亀裂がrn少なからず確認されることから、地震動によって変形がrn増大したものと判断される。塔などの上部で生じた破損rnが建造物本体の構造性能に影響を与えた事例はほぼ見らrnれない。そのため、今回地震によるバガン遺跡の被害はrn広範ではあるが、構造的損傷の主な原因であるとは言いrnにくい。むしろ、バガン遺跡群の文化遺産建造物の形状rnや構法における脆弱性や既存補強手法の適切性などにつrnいて構造性能にもとづく保存修復への検討が必要である。