ため池氾濫解析ソフト「SIPOND (エスアイポンド)」

摘要

ため池は、降水量が少なく、大きな河川に恵まれない地域を中心に、水田などで必要な用水を確保するために作られた農業水利施設である。ため池は全国に約20万箇所存在し、特に瀬戸内地域など、西日本に多くある。ため池の約70%は、江戸時代以前に当時の経験的な技術で造られたと推測されている。古い時代に造られたため池についても、豪雨や地震に耐えられるよう改修が進められている力、災害に対して弱点をもつため池はまだ多く残されており、毎年少なくないため池が豪雨や地震で被災している。近年、集中豪雨が頻発する傾向にあり、また南海トラフ地震をはじめ、大規模な地震の発生が懸念されている。下流に住宅や公共施設等があり、施設が決壊した場合に想定される被害が大きいため池（防災重点ため池）では、地方公共団体等において詳細調査を実施し、改修などの対策の必要性に関する判断が行われるとともに、万一のため池決壊時に備え、ハザ一ドマップの整備が求められている。