1984年夏、青森行223レ「みちのく客車紀行」

摘要

1984(昭和59)年8月30日木曜日、天気薄曇り、常磐線原ノ町駅。人気のない駅舎から跨線橋を渡った長いホームには青い客車列車が2本、2番線は6:18の水戸行き634レ、そして3番線が6:00に発車する青森行き223レだ。634レは9連、223レは11連とどちらも朝の通勤通学輸送対応の編成であるが、始発駅ではまだ客の姿はない。いちばん先頭にED75 117,次に盛岡区の客車が真ん中にオハ35を挟んで両側にオハ47、スハフ42とシンメトリカルな5両、これが終点の青森まで行く。後半は水戸区の6両がつづきオハ46のトップナンバーの姿も見える。原ノ町では形式写真が撮れないので、途中の交換駅に期待しょう。ところでこの編成にはヒ下に割かれたHゴム固定式ガラスを有するデッキドアの姿が目立つ。なんとも写真写りの悪いスタィルであり、若干の蔑視感をもって当時の仲間内では"水戸ドア"などと呼んでいた。「場当たり的な改造」と思っていたが、ガラス窓破損を防止するために設計された"本社仕様"であり、正式な改造図面を元に主として大宫工場で施工されていたことを知るのは20年近くあとのことである。