季節性インフルエンザの予防接種

摘要

1.インフルエンザは毎年の予防接種を要し，発症予防効果が限定的であることなど，ワクチンで予防可能な他の感染症と比べて予防接種のメリットを理解しにくい要素がある.2.一方で，罹患者数が非常に多く，社会全体に与える疾病負荷を抑制する意義は非常に大きい.3.感染リスクや重症化リスクの高い，予防接種がとくに推奨される者のみならず，広く適切な予防接種を勧めることが望ましい.4.とくに近年，医療従事者に求められる院内の感染予防対策への責務は大きく，個人の感染予防の観点に加え，二次感染予防や社会機能の維持の観点からも予防接種の意義を理解し，率先して予防接種を受けることが望まれる.