認知症予防

摘要

1.日本を含めた先進諸国は超高齢化社会を迎え，Alzheimer病をはじめとする認知症患者の急激な増加が社会問題となってきている.2.また，高血圧，糖尿病，脂質異常症，肥満などの生活習慣病とそれによって引き起こされる血管病変が，Alzheimer病などの認知症の発症，増悪に大きく関与することが近年明らかになってきている.3.さらには，中年期の生活習慣病を治療することが，認知症予防や増悪抑制につながることを示す知見も最近報告されてきている.4.当科で行った検討でもスタチンやtelmisartanが脳血管保護効果を示しており，今後認知症発症予防への臨床応用が期待できる.