TCP/IPプロトコル·スタックとは何か

摘要

Ethernetコントローラとそのドライバが用意できれば，即座にネットワーク·プログラムが組めるかというと，そうではありません.図Aにネットワーク·システムの階層構造を示します.ユーザが必要とする機能はアプリケーション·レべルに相当しますが，その途中にはARPやICMPといつた処理があります.これらはネットワーク機器では必要な処理で，アプリケーション·プログラムとは別にバックグラウンドで動いているものです.TCP/IPプロトコル·スタックとは，アプリケーションより下で，デバイス·ドライバより上の，TCP/IPやUDP/IP通信で必要なさまざまな処理を受け持つミドルウェアです.これらさまざまなネットワークの処理が階層構造状に積み重なつているところから，スタックと呼ばれます.TCP/IPプロトコル·スタックは自作もできなくはありませんが，そこに開発工数が取られてしまっては意味がありません.一般的には，組み込み機器向けミドルウェアとして市販されているものを購入したり，オープン·ソースのものを移植したりします.