係数を動的に変える便利なフィルタを試す!オート•ワウ

摘要

本章では，特性を動的に変えられるフィルタを使ってみます.SVF(State Variable Filter)という状態変数型フィルタです.ローパス，ハイパス，バンドパス，バンドリジェクションの特性も同時に得ることができる変わったフィルタです.このSVFを使って，ギター用エフェクタ「ワウ」を作ってみます.今までに紹介したFIRフィルタやIIRフィルタでは，あらかじめ設計ツールで係数を求めておきました.係数を求めておくことで，信号処理実行中にフィルタ計算だけに専念できるわけですが，ワウの場合は信号処理案行中に特性を変更する必要があります.今までのフィルタを使用すると，フィルタ係数を信号処理実行中に逐次計算しなければなりません.IIRフィルタやFIRフィルタの係数計算量は大きく，これらを使用すると，処理に時間がかかります.そこで，今回は状態変数型フィルタSVFを使用し，ワウを実現します.