パケットづくりではじめるネットワーク入門

摘要

本連載はネットワーク上を流れるパケットを直接扱うようなツールを自作しつつ，ネットワークの仕組みを勉強していきます.テーマは「自作」，「現物べース」，「動く感動」の三つです.ネットワークにはイーサネットとIPを想定しています.前回までは自作の簡易ルータにNAT機能を追加していきました.具体的にはNAPTや複数プロトコル (TCP/UDP/ICMP)の対応，ポート•フォワーディングなどの機能を追加しました.これにより，一般的なブロードバンド•ルータに実装されている機能がどのような動作をするのか，実装を通して知ることができました.しかし前回までのプログラムには，実は問題点があります.ヘッダのアラインメントを考慮しなくて済むようにへッダ情報を毎回コピーして処理しているため，無駄が多いという点です.これを防ぐためには，L2ネットワークの種別に応じたオフセット位置からパケットを格納し，IPへッダの先頭がアラインメントにそろうようにする必要があります.