農業センシングの世界

摘要

植物の葉の裏には.蒸散によって水蒸気を放出し，光合成に必要なCO_2を入れる穴，「気孔」があります.植物には肺がなく，息をしないので，ヒトの鼻孔と異なり，気孔では気体がじわじわと染みるように交換されるのが特徴です.CO_2ガスは.気孔周辺の外側の濃度と内部の濃度との差によって葉の内部に取り込まれて.光合成に使用されます.風が全くないと，CO_2ガスはとてもゆっくり移動するので，濃度差が0に近くなり.取り込み速度が小さくなってしまいます.そこに風が吹くと，CO_2をたっぷり含んだ空気が気孔の周囲に運ばれ，取り込み速度が回復し，光合成が進みます.