5G時代のサービス協創とシステムトライアル：幅広い業界における新たなパートナーシップと地方創生•社会課題解決にも繋がる5Gサービスの実証試験

摘要

第5世代移動通信システム（5G)は，従来使用されている周波数帯よりも高い周波数帯の電波を使用することで，無線伝送信号の広帯域化を行い，超高速•大容量の情報伝送を提供するとともに，超低遅延，多数同時接続などの特長を持ったシステムである.これらの特長は一般の消費者だけでなく，ビジネスユーザ向けのサービスにも活用でき，5G時代の新しいサービスやアプリケーションの創出を目的として，全国でシステムトライアル/実証試験が進められている.これらの動きは，移動通信業界のみならず，幅広い業界が関与する形で加速してきており，5Gによる新たな産業創出，社会的課題の解決，地方創生への貢献も期待されている.また，2017年度からは5Gの実現による新たな市場や新しいサービス-アプリケーションの創出を目的に，さまざまな利活用分野の関係者が参画する総務省の「5G総合実証試験」も開始され，2019年度まで継続されている.以下では，5G時代のサービス協創に関するドコモのプログラムとその取り組み，ならびに総務省の5G総合実証試験において，5Gの超高速•大容量の特長を活かし，従来世代では実現し得なかった新サービスや，必要な通信速度の確保が困難であったユースケースについて，2017年度および2018年度にドコモが取り組んだ代表的な実証事例について概説する.