組織間データ結合における海外制度の動向

摘要

ビジネスだけでなく，社会におけるあらゆる場面においてデータの活用が進められているが，パーソナルデータの活用においては，データの結合が大きな課題となる.個々人がさまざまなサービスを利用したり，いろいろな活動をすることで，データが散在しているが，これらを結び付けた方が個人を深く理解し，より適切なサービスの提供や，社会全体としての最適化が図れると考えられる.しかしながら，このようなパーソナルデータの結合に関しては，基本的に本人の同意が求められ，将来的なデータ結合を想定した同意の取得は困難である.また，すでに収集されているパーソナルデータの再同意には大きなコストが必要になる.我が国では，「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が2015年10月に施行され，行政分野においては，個人番号（マイナンバー）を使って，規定された業務に限つて本人の同意を必要とせず，個人の情報を連結することが可能になっている.