仮想と現実の狭間で

摘要

「光陰矢の如し」学会からシニアコラムの執筆の依頼を受けてまず頭に浮かんだ言葉である.まだまだ第一線で頑張っているつもりだが，いつの間にか還暦は過ぎており，このコラムを書くのにふさわしい年齢になったようだ.これまで依頼されてきた解説記事はテーマが決まっており，自分の専門でもあるからさっさと書き始められるのだが，この原稿はどうも構想がまとまらない.日経新聞の「私の履歴書」風にしようか，某機内誌の「浅田次郎のエッセイ」風にしようか，いずれにしろ自慢話と説教話はやめようと心に決めつつキーボードに向かっている.