多数のデータストリームを実時間で融合•編纂し利活用するための次世代 「情報流」技術: 情報流キユレーション基盤実現に向けた課題抽出と取り組み

摘要

我々にとって従来の「情報」は，インターネット上などに「静的」に整理•蓄積され，人々の用途に応じて加工され，必要とする人々に伝送•活用されるものであった.近年のビッグデータ活用もこの延長線上のトレンドとみなすことができる.一方で,人•車•機械などから時々刻々と連続的に生成される位置トレースデータや映像ストリーム，ソーシャルコンテンツといった実時間情報を，「リアルタイム」で「複合的に」処理することで社会的に大きな価値を生み出せる.情報システムは，従来の「情報」の想定を遙かに超える量で湧出する「情報流」を活用すべき時代へ移行しつつある.そのような時代には「情報流」を対象とした技術の確立が急務である.本稿が「情報流」研究コミュニティの拡大，さらには新たな研究トレンドの確立につながれば望外の喜びである.