自動運転の開発動向

摘要

2004年頃から，世界に先駆け日本国内でコネクテッド•カーが出現した.インターネット•プロトコルを利用してクルマとデータセンタを繋げ，多数のクルマから位置情報やワイパーの状態，さらにはEVのバッテリーやCANのデータを集め分析し，情報化し，カーナビゲーションにフィードバックする.その頃IoTという言葉はなかったが，まさにこれは今でいうIoTである.2004年当時，日本はカーナビゲーションの浸透率が海外に比して圧倒的に高く，同時に国内では多くのユーザがガラケーのデータ通信でインターネットを利用しており，その2つを組み合わせることで，日本固有に先行しクルマ向けIoT(Vehicle IoT)が実現していたと言える.一方，海外のクルマ会社では，現在，自動運転を実現するためにグローバルに対応する同様のシステムを構築中である.日本のVehicle IoTの経験値は，今後自動運転技術で国際競争力を発揮するための重要なポイントとなり得る.