地質汚染診断士技術ノートNo.12 不法投棄現場からの報告: なぜ不法投棄はなくならないか

摘要

日本における環境問題の原点は、足尾銅山の排煙、坑内水、選鉱·製鍊所廃水や、鉱滓堆積場の崩壊などにより流出した鉱毒が原因で渡良瀬川流域の広大な農地が汚染されている問題を明治24(1891)年12月25日に田中正造議員が国会で足尾銅山鉱毒問題を質問演説でとりあげたのが最初である。これが契機となって、明治44年に「工場法」が制定されたが、経済の発展が優先と対策技術の未熟などから、有効な対策はあまり講じられなかった。その後も、度重なる戦争が長引くなどして日本の都市は焼土となり、多くの山は木を失って、ようやく終戦を迎えた。