情報視覚化を活用したオブジェクト指向プログラミング教育支援システムの提案

摘要

オブジェクト指向プログラミングの教育に於いて，クラスやオブジェクトの相互関係などを静的・動的に視覚化できれば，学習者の理解度は高まると期待できる．オブジェクト指向プログラミングの基礎部分に於いては，視覚化によってクラス内のフィールドやメソッドの定義を把握しやすくなり，またオブジェクトの生成・メソッドの動作・オブジェクト参照の様子などを観察して理解を深められると考えられる．筆者らはこのようにオブジェクト指向プログラミング教育を視覚化によって支援するシステムを提案した．本論文では，オブジェクト指向による設計レベルの学習についても利用可能な視覚化機能を持った学習支援システムを提案する.オブジェクト指向設計の学習題材としては，特定の目的のために設計された比較的小さい構造である典型的なデザインパターンが考えられる．その中から基本的な構造としてStrategyパターン及びそのバリエーションであるStateパターンを視覚化する機能について報告する．%In basic stages of object-oriented programming education, visualization of static and dynamic aspects of programs, for instance, class definitions, created objects and correlation of classes and objects improve comprehension of learners. We reported such visualization systems in our prior papers. In this paper, we introduce new visualization features of the systems for modeling level education of OOP. For such education level, typical design patterns are suitable for teaching materials because they are small and modeled for each particular purpose. The systems visualize Strategy pattern and State pattern statically and dynamically. We describe how it visualize the patterns and how we use it.