少子・高齢化の進展と高齢者医療費の負担、産業空洞化について

摘要

高齢者医療費の急増に対して、どのような対処をすべきか、この点について議論は尽くされており、病床数の抑制•診療報酬誘導による医療費抑制、保険料や自己負担といった高齢者負担分の引き上げ、再分配機能を分離する社会保険料の租税化などである。社会保険料の租税化は本誌(2014年11月号)の佐藤教授(一橋大学)で詳細が紹介されている。基本的解決策は、高齢者医療増を上回る、経済成長を実現し、その成長の果実を医療費負担に充当し、人口動態リスクを乗り切ることである。現実的には容易に経済成長を期待できないので、社会に与える歪みが最も少ないファイナンスの方法を検討することである。