マレーシアの港湾保安と机上演習の試み

摘要

2004年7月、海上の保安を高めるための特別措置に関するSOLAS（海上人命安全）条約の新しい規定と港湾保安コード（ISPSコード）が発効した。これにより、SOLAS条約の締約国全てにおいて、条約を遵守すべき義務が課されたところであるが、発展途上国においては必ずしも十分な体制が整備されていない場合もあり、我が国は、APEC、日ASEANといったマルチの枠組み、またJICA等によるバイの協力により、途上国における港湾保安対策の強化を支援している。日本に輸入する貨物が安全であるためには、仕出港のセキュリティ対策が重要であり、とりわけ我が国と地理的、経済的結びつきの強いASEAN諸国における港湾保安対策の強化は、我が国にとっても極めて重要である。