くにたち郷土文化館

摘要

武蔵野台地の自然の上に建つ郷土文化館は、国立市の貴重な文化を保存し、教育、周知する施設として計画された。国立市で育ち、多摩川沿いの三つの段丘に形成された自然を実体験していた石井は、江戸時代から続く南養寺の雑木林の風景の維持を最優先し、建物の大部分を埋めて顔の無い美術館をつくつた。地下空間と地上に置かれたガラスの箱による立体的な動線は、雑木林を印象的に演出する。ェントランスに入ると、雑木林に向かつて歩き、木の裾でUターンして階段で地下の展示室に向かう。地下のロビーは段丘をィメージした庭園から光を取り入れ、奥に堂々と構える雑木林を望める。ガラスのヵーテンゥオールは特注のグリツブで引張材を省略して透明度を高くし、雑木林を見る上での障害を減らした。外から見ると雑木林を映し込み、建物の輪郭をぼやかす。