故阪口 理先生を偲ぶ(日本住宅公団のころ)

摘要

大柄でポロシャッ姿のおじさんが，元気な大きな声で明るく呼ぶ声が今でも聞こえてきそうな，阪ロ理先生の訃報に接し非常に残念な思いです。阪ロ理先生は，常に土と会話をしながら土の気持ちになって地盤調査·建物の基礎を考え，経済的で安全な基礎が選択·採用されるよう，戦後の日本の成長期·建設ラッシュ時に，地盤調査と建物基礎の研究·普及に努められた一生でした。また，著作の建築地盤工学に書かれている「現設計者および現場監督者には地盤工学に関する正しい知識が求められるが，現実的には，ほとんど知識の無い技術者が実務を担当していることが多い」との文面を思い出し，横浜マンション問題を例に，数字に依存して現場感覚が養われていない現状に反省するところです。