圏高速道路ネッ卜ワークと外環の意義

摘要

首都圏の骨格を構成する高速道路ネットワークは，3環状9 放射に代表される。9放射とは東名高速，関越道，東北道などの放射状に延びる高速道路であり，3環状とは首都高速中央環状線（以下，中央環状線)，東京外かく環状道路（以下，外環道），首都圏中央連絡自動車道 (以下，圏央道）を指す。ご承知のとおり，放射状の高速道路については昭和の時代から先行して整備され延伸してきたものの，3環状については未だ完成していない。このため， 放射状の高速道路から都心を目指す，あるいは都心を経由する交通の分散が促されず，交通流動が効率の悪い状況にあった。このような状況が長く続いてきたことは，交通の流れだけではなく，企業立地などの土地利用にも影響を与えてきたといえよう。この約10年の間で，3環状の開通延長は徐々に延びてきた。これによつて，沿線の土地利用，特に急速に整備が進められてきた圏央道沿線などは，大きな変化を見せている。そして，昨年の6月，都市計画決定から約半世紀を要して外環道の千葉区間が開通した。