都営新宿線交差部建設工事: フロンテジャツキ工法

摘要

東京外かく環状道路のうち，巿川巿大和田地区においては，都営地下鉄新宿線（以下，「新宿線」）の篠崎駅～ 本八幡駅間のトンネル直上を交差する形で掘割スリット構造の鉄筋コンクリート函体（以下，「函体」）を建設した(図-1，2)。新宿線の列車走行の安全確保や鉄道構造物への影響を考慮し，当該区間の工事は，NEXCO東日本が東京都交通局に委託して施工した。本稿では，発進立坑で築造した函体を新宿線直上にけh引した「フロンテジャッキ工法」について報告する。本工事の概要は以下のとおりである。 1.工事名：東京外かく環状道路新宿線交差部建設工事2.工事場所：巿川市大和田1-9•10地内 3.工期：平成23年8月8日～平成28年8月31曰 4.受注者：大成•銭高•大豊建設共同企業体当該区間の新宿線トンネルは，土かぶり約16.3m,外径010.4mの複線シールドトンネルである（図-3)。函体底面と新宿線トンネル上端との離隔は約3.8mと近接しているため，通常の開削工法では掘削に伴うリバゥンドにより，新宿線構造物に大きな影響を与えることが懸念された（図-4)。