東京都のこれまでの取組と今後の展望

摘要

東京外かく環状道路（以下，「外環」という）は，都心部の慢性的な渋滞を解消し，日本の国際競争力を高めるとともに，快適で利便性の高い都市を実現するうえで必要不可欠な道路である。首都圏においては，放射方向に比べ環状方向の道路整備が遅れてきた。そのため，通過交通の流入により都心部で慢性的な道路渋滞が発生し，これが都市機能における最大の弱点となっている。このため，都は首都圏三環状道路の整備を促進しており（図-1),平成27年3月の首都高中央環状線全線開通に続き，圏央道•外環が完成することによる都心部の通過交通の排除，ならびに慢性的な渋滞の解消を目指している。また，計画が具体化されていない外環の東名高速～湾岸道路間が整備されると, 羽田空港や京浜港へのァクセス向上が図られることなどから，さらに日本の国際競争力の向上にも寄与するものと期待している。