くグルマンの味な話〉第15回　ベジタブルパワー

摘要

「春は野原にレンゲつみ、夏は小川に魚採り、ひばりとともに歌いつつ、ああ永福は我が母校」これは筆者の 小学校歌の一節である。その当時、東京ではこのような情景が実際に広がっていたのである。女の子はレンゲで花ネックレスをつくり、男の子は畑のあぜ道を走り回り、エサのカエルでフナ、ザリガニを釣り、時には肥溜めにはまったこともあった。くたくたに疲れて家にもどると家の灯火と家族のぬくもりがあった。季節ごとに春はつばめ、冬はかもが飛来、夏はホタルが飛び、時には小動物の死に遭遇していつくしむ心が芽生える。身近に田畑、